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2007年8月20日 (月)

《3周目》第18、19、20、21日目 8月14日~17日

第18日目 07年8月14日(火)雨後晴

9:00 市野瀬バス停 →(真念遍路道経由、地蔵峠〈12:00〉24.7㎞)→ 15:30 39番 延光寺 15:50→(7.3㎞)→18:00 ホテルアーバン宿毛《合計32㎞》

P1020212  朝、山には雲が垂れ込め、時折、強いにわか雨。
 が、昼ごろから、急に晴れ間が広がり、強い夏の日が照り付けてきた。

 じりじりと焼ける肌。バッグに付けてきたミニ温度計は35℃を指している。

 国道沿いのベンチで一息ついていると、自転車を押して歩いているおばあちゃんが声を掛けてきた。
「2、3日ずつ、区切り打ちです」と言うと、「そしたら何遍も来なければあかんな」と感心される。
 おばあちゃんも70歳過ぎてからお遍路に何度も行った。今は体がきついので行けない。聞くと82歳という。
「暑いけど、頑張ってな!」と励ましていただく。
 おばあちゃんも、いつまでもお元気で…。

 少し歩くと、外国人のお遍路。通し打ち。2年間、日本で英語の講師を務めた。今度、アメリカに帰るので、記念にお遍路をしているという。お気を付けて…。

 夕日を浴びつつ、西へ西へと歩いた。

第19日目 07年8月15日(水)晴

4:15 ホテルアーバン宿毛 →(松尾峠〈6:10〉18.5㎞)→ 9:40 40番 観自在寺 10:15→(柏〈1:15〉清水大師〈15:10〉24.6㎞)→ 18:40 よしのや旅館《合計約43.1㎞》

P1020225  夜明け前、峠に向かう。
 朝焼け。朝靄に煙る山。湧き立つ雲。
 山の遍路道は、草木が朝露でびっしょり濡れている。
 鳥のさえずり。小川のせせらぎ。ヒグラシの合唱。

 国道56号へ。
 日が高くなり、日差しは容赦なく照りつけてくる。
P1020232_2  暑く、けだるい空気。温度計は40℃。時間が止まっているような感覚。けだるい空気をかき分けるように歩いていく。
 時間の流れの中を歩いているのではなく、「今」の時が、今、今、今…と、一瞬一瞬、過ぎていく感じ。
 宗教者が求めてやまない「久遠の今」「絶対の今」を、現象の時間の中でぼんやりと学んでいるP1020245ようである。
 「神さま、神さま…」と念じて歩く。朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり――。今なら、神さまがいる、神さまと共にいると感じたまま、倒れることができる。
 
沿道に生い茂った草が、神様を思う自分に挨拶してくれるように、ずっと風になびいてくれている。

 午後、延々と柏坂(峠)を登る。あまりの暑さに15-20分ごとに休憩を取り、濡れタオルで首筋や額の熱を冷やす。
 ようやく峠を超え、今度はひたすら下り道。

P1020265  そして夕日。夏の長い1日。

第20日目 07年8月16日(木)晴

4:15 よしのや旅館 →(16㎞)→ 7:40 別格6番 龍光院 8:20→(9.6㎞)→11:05 龍光寺 11:40→(2.6㎞)→12:25 42番 佛木寺 13:05 →(10.6㎞)→ 16:25 43番 明石寺 16:55 →(3.5㎞)→18:00 宇和パークホテル《合計42.3㎞》

P1020268_2  夜明け前のヒグラシ。鳥のさえずり。 
 日が昇り、照りつける太陽。

 影のない田んぼの道。

 寺に着き、本堂脇の釈迦像の前でほてった体の熱を冷ましていると、裏手の境内林から、わずかなそよ風。頬を撫でる風に感謝合掌。

P1020274  峠を越え、自動車道を歩いていると、ワゴン車から男の子が降りてきて、オレンジジュースを接待してくれた。男の子と、車の中の若い両親に感謝。
 気持ちがとてもありがたく、元気が出てくる。大切に、しかし、一気に飲み干す。

 明石寺の小高い裏山では、「カナカナカナ…」とヒノキ林からヒグラシの大合唱。哀愁を帯びたヒグラシの音があたりいったいに響きわたり、体の中を通っていく。ヒグラシの音と1つになった感じである。西日がこぼれ落ちる林道を、約15分間、聞き惚れて歩く。

1日の終わり。夏の終わり。

第21日目 07年8月17日(金)晴

3:20 宇和パークホテル →(伊予平野〈8:00〉25.9㎞)→ 12:10 別格7番 金山出石寺 12:50→(11.9㎞)→16:00 JR伊予大洲駅《合計約37.8㎞》〈往路、夜行バス(しまんとエクスプレス)、復路、JR〉

 108の寺(別格含む)で、3番目に標高の高い寺(812㍍)を目指す。

 途中からきつい山道。あえぎながら登っていく。
 10-15分に一度に休憩。濡れタオルで首筋と額を冷やし、靴を脱いで足を強くもむ。その繰り返し。

 林道のそばから、木の根や苔を伝ってポタポタとしずくが滴り落ちている。それを空になったペットボトルに慎重に受け止める。

 しばらく行くと、草木が茂って荒れた遍路道の下に、腕の太さほどの小さなせせらぎ。
 透んだ水に手を入れると、ひんやりと気持ちよい。
 荷物を降ろし、頭の手ぬぐいを取り、メガネを外して、水をすくう。
 顔を洗い、腕に注いで熱を冷ます。口に含むと甘い香りがした。
 これもペットボトルにお裾分けさせてもらう。

P1020285  一時の癒し。自然の恵みに手を合わせる。

 はるか遠くの山から、「ゴーン」と寺の鐘が聞こえてきた。歩いては休み、また歩いては休んで、だんだん鐘の音が近づいてくる。
 やがて頭のすぐ上から鐘の音。見上げるとそこが寺。ようやく到着した。

 納経し、しばし休んだ後、来た道を飛ぶように降りていく。登りでは気が付かP1020291 なかったヒノキの香りが鼻をくすぐった。

 下界(平地)に降りるとうだるような暑さ。温度計は40℃を指していた。

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2007年8月 5日 (日)

《3周目》第16、17日目 8月1日~2日

第16日目 07年8月1日(水)晴時々曇

8:55 市野瀬(真念庵)バス停 →(27.9㎞)→15:50 38番 金剛福寺 16:10 →(0.5㎞)→16:20 民宿足摺八扇《合計28.4㎞》

P1020153  朝からぼんやりとした晴れ。
 時折、もくもくとわいた雲の影に日が隠れる。
 あたりの山からシュワシュワとクマゼミの音。
 田んぼは黄金色に色づき、稲穂は頭を垂れている。南から吹く潮風が稲穂を揺らしている。

 頭の中が空っぽになって歩いている。

 岩手から来た30歳ぐらいの男性と会う。
 会社を辞めてきた
。お遍路でいろいろと考えたい。善根宿や寺のお堂に泊まっていて、今夜も善根宿に泊まる。道中でいろんな人に出会えてうれしいという。
 小1時間、道をともにするが、男性のペースが速く、先に行ってもらう。その後、何度か追いつくかたちで出会う。

 暑さの中、早くも疲れがたまり、足を引きずって歩く。

第17日目 07年8月2日(木)雨

3:50 民宿足摺八扇 →(28.4㎞)→10:40 市野瀬(真念庵)バス停《合計28.4㎞》〈往路、夜行バス(しまんとエクスプレス)、復路、JR〉

 台風が接近している。夕方には足摺岬を直撃しそうである。
 早めに宿を出る。が、その途端、パラパラと大粒の雨が落ちてきた。
 次第に強まる雨と風。

P1020202  が、東の空を見ると、ほんのひととき、雲の隙間から日の光があふれ、雲が割れ、朝日が顔をのぞかせた。わざわざ見せてもらったような日の輝き。

 日はすぐ雲の中に隠れ、再び雨が降り始める。断続的に強まり、やがて横なぐりの雨に。強いシャワーを浴び続けているようである。

 白波を立て始める灰色の海。
 海辺に開けた道や、橋の上では、強い横風で飛ばされそうになる。
 どんどん歩くが、どんどん台風は近づいてくる。

 降りしきる雨の中、軽トラックに乗ったおばさんが、そこにトイレと休憩所があるから休んでいって、と声を掛けてくれる。
 天理教の教会。そ
の庭に置かれたトイレと小屋。
 一息つかせてもらう。

 ありがたし、ありがたし――

 生まれたてのヒキガエルとアマガエルは、雨で叩かれたアスファルトの上をあちこちで嬉しそうに飛び跳ねている。

 こんな雨でも歩くんですか。頑張って! と傘を差してたたずむ女性の温かい励まし。ありがたい。しかし、歩かなければ、ここに来た意味がない。
 が、すでに暴風雨になっている。早めに切り上げることにした。

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