2008年4月18日 (金)

《4周目》第7、8日目 4月16~17日

第7日目 08年4月16日(水)雲のち雨

(甲浦駅)→3:00 大和旅館→(38.4㎞)→ 12:05 24番 最御崎寺 12:30→(6.5㎞)→ 14:05 25番 津照寺 14:30→(3.8㎞)→15:30 26番 金剛頂寺(泊)《合計48.7㎞》

P1030526海外べりの道を歩いていく。
刷毛を掃いたような朝の雲。
潮騒。
静かな気持ち。波と一体となって歩いている気持ち。

雲間からの明かりで、灰色の海がにぶく光っている。

P1030541 生かされている歩き方。
今、此処を歩いている。
神の子の歩き方。

神の子が見る風景。
神の子が見る海。

神、われと共に居ます。
波の音と共に居ます。

P1030549 そんなことを思いながら歩く。

時折、道脇の林やしげみからゲコゲコとカエルの鳴き声。
道沿いにはナズナが「見てくれ」と言わんばかりにあちこちに咲いている。
道中に仏さんがいて、自分が仏さんである。
仏さんが歩いている。

P1030556 田んぼはどこも田植えを終えたばかり。

やがて雨となり、時折強く降ってきた。

P1030570_2

第8日目 08年4月17日(木)雨時々雲

2:10 26番 金剛頂寺 →(28.7㎞)→9:40 27番 神峰寺 10:25→(29㎞)→18:00 夜須駅(土佐くろしお鉄道)《合計57.7㎞》〈往路、JAL、復路、ブルーメッツ号〉

今日も雨。
闇夜の山を下ると、暗い海辺には、押し寄せる波が白く一筋に浮かんで見える。
雨がだんだん強くなってくる。
もくもくと歩いていく。

金剛頂寺で、福井の青年と出会う。
青年は大きな荷物を背負っていた。14日目、ほぼ野宿で通し、2回善根宿に泊まり、昨日は民家にお接待で泊めていただいた。用事ができて、今日いったん帰るという。
両手に2本の杖。1本は竹。足を痛めた時、ちょうどよく拾って杖替わりに。神様の贈り物。

青年は、それぞれの寺もいいけれど、道中が素晴らしいと言う。
そのとおりです。「道中にこそ仏さんがおるな」と言ったおじいちゃんもいましたよ。
続けて、青年は、いろいろな宗教がありますが、元の神様は1つ。いろいろなことが起こるけれども、その人たちが与えられた課題で、解決していくためにあると思うと言った。

生長の家では、人間神の子、仏であり、万物に神仏が宿っていて、すべての教えの神髄は1つであると説いていることを話し、まるで生長の家の人と話しているようだと言うと、宗教は持っていないが、飯田史彦さんの本はほとんど読んでいて、とても共感しているという。

今の地球環境やCO2削減の問題にも関心がある。
山が好きで、山道ではよくごみを拾っている。お遍路に来てから、眉山のごみの多さには失望。遍路道のごみを拾って歩き始めたら、ごみを引き取ってくれ、ジュースを接待してくださった方もいた。自分のごみは、こうしてバッグの横の袋に入れて持ち帰るつもり。
アイドリングをして停車中の車に、CO2削減のために止めてくださいと話すと、たいてい止めてくれる。中には聞くだけで、「変な奴」という顔をする人もいた。環境保全は1人から始めないとできない。帰ってから、1つ1つやっていき、周りの人にも呼び掛けていきたいという。

P1030585 生長の家ではISO14001を全事業所で取得したこと、“炭素ゼロ”の取り組みを始めて、自然エネルギーの利用や省エネ、省資源などに努めていることを話すと関心を示してくれた様子。こちらは、青年の勇気ある行動にとても驚いた。

素晴らしい青年がいる。
「『甘露の法雨』をよ
もう」を手渡し、連絡先を交換して別れる。

P1030635 Kさん、続きの遍路も、地元での活動も頑張ってください。
飯田教授の新刊『教授の恋』は、早速注文させていただきましたよ!

一時、止んでいた雨が再び降り出した。
荒れた海。風になびいて、
波が次々と押し寄せてくる。

浜辺では、ハマヒルガオが「見てくれ」という表情で咲いていた。

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2008年4月14日 (月)

《4周目》第5、6日目 3月27~28日

第5日目 08年3月27日(木)晴時々曇

6:55 中角中バス停→(4.1㎞)→8:05 20番 鶴林寺 8:25→(休憩所9:10、6.7㎞)→10:10 21番 太龍寺 10:55→(遍路小屋12:15、10.9㎞)→13:30 22番 平等寺 13:50→(11.5㎞)→16:40 民宿ゆき荘(由岐)《合計33.2㎞》

P1030265 朝、木漏れ日の差し込む山の中、ウグイスとヤマガラの鳴き声。

鶴林寺で、バスツアーの添乗員が一服していた。
大阪の人。和歌山から2泊3日で24人を連れてきた。中には、わざわざ郡山(福島)から来てツアーに参加した夫婦連れもいるという。
 最近、お遍路は20~30代の人にも人気で、大阪から日帰りまたは1泊2日の合計12日、1年がかりで回るバスツアーもある。
何度も来た人の中には、試験(?)を受け“先達”の認定を受けて再びやってくる。試験を受けるにはどこかの寺の推薦がいるという。

P1030342 なってみようかな、先達に。名前もカッコいいし…

休憩所で、置いてあるノートを読んでみる

3/10 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法とは云いますが、痛いものは痛い。結願寺ではどんな気持になっているのでしょうか?

ふむふむ、言われていることはよくわかる…

P1030357 3/12 高校卒業しました。お兄ちゃんたちに続き、歩き遍路をしてみようと思い、歩きはじめました。「キツイ!」とにかく大変な遍路旅。しかし、得るものはすごく多くてきてよかった。出会ったみなさん、これから出会うみなさん!どうぞお気をつけて旅をたのしんで下さい。 18歳

えらい!!

3/22 この度、84才の私が試しに徳島一国巡拝を実行中、16日に四国入りし17日から歩き遍路スタート。本日、平等寺にお詣りし目下23番薬王寺に参る途中です。
P1030408  一気に約28㎞の薬王寺まで巡拝し、締めくくる心算でしたが、昨日、鶴林寺~太龍寺でちょっと無理しましたので、、由岐周辺に1泊することにしました。皆さん、各自自分の体力に合わせて、決して無茶されませんように、いろいろ自然に触れながら、マイペースで頑張りましょう。

おじいちゃんに感動!

皆さん、頑張って!
みんな神の子、よい子

少しは声援になったかな?(写させていただいた皆さん、ありがとうございます)

桜はぼちぼち咲き始め、東京より遅い感じ。
由岐に向かう道の一部は、桜ロード。

第6日目 07年3月28日(金)晴

4:00 民宿ゆき荘→(11.4㎞)→6:30 23番 薬王寺 7:10→(牟岐警察前 10:20、38㎞)→15:30 甲浦駅《合計49.4㎞》〈往路、エディ号、復路、阿波エクスプレス、新幹線〉

雲間から月明かり。
照らされる海。潮騒。

遠くの森でホーホーとフクロウ。
目の前の闇から小さな動物が猛ダッシュで逃げていく。
風に揺れてざわつく森の梢。

P1030450 やがて日の出。
朝日を眺めながら、寺でおにぎりを頬張る。

腰の曲がったおばあちゃんが、少し左に体を傾けながら、一歩一歩懸命歩いている。
軽装だから、区切って歩いているのだろうが、結構大変そう。
頑張ってください!

自転車に乗ったおじいちゃんが牟岐警察の休憩所まで伴走してくれる。
今86歳。どこから来た?14歳で志願して航空隊に入って、飛行機の整備をしていた。日本中歩いた。だから今も元気。10歳以下の連中に元気出せと言っている。
P1030481 ところどころ意味不明。
でも、元気なおじいちゃん。

田んぼには、少しずつ水が張られ始めている。

行程をほぼ終え、宍喰の海を見ながら、残りのおにぎりを頬張った。

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2008年3月24日 (月)

《4周目》第3、4日目 3月12~13日

第3日目 08年3月12日(水)晴

7:20 11番藤井寺→(3.2㎞)→ 8:20 長戸庵 →(3.4㎞)→9:10 柳水庵→(2.2㎞)→9:55 浄蓮庵 →(4.1㎞)→11:15 12番焼山寺 11:40→(5㎞)→13:00 玉ヶ峠→(5.2㎞)→14:15 阿川→(3.2㎞)→15:20 広野→(7.4㎞)→16:45 大日寺 17:00→(大日寺)宿坊《合計33.7㎞》

P1030140 焼山寺へ登っていく。

木の間から降りそそぐ明るい日差し。
山の中では、ホーホケキョ、ツツピーと、鳥たちの澄んだ鳴き声。

左右内の一本杉と大師様に挨拶。

数えるともなく
14人抜き。速いペースで2人連れの女性がP1030161_2 ついてくる。

焼山寺は、大師堂の落慶で賑わっていた。

杖杉庵を越えて、玉ヶ峠へのきつい登り道。
梅畑が斜面に霞み、下方には鮎喰川。

大きな宿坊に1人泊まった

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P1030209_3

第4日目 08年3月13日(水)晴時々曇後雨

7:05 大日寺→(2.3㎞)→7:30 14番常楽寺 7:50→(0.8㎞)→8:00 15番国分寺 8:15→(1.8㎞)→8:35 16番観音寺 8:50→(2.8㎞)→9:20 17番井戸寺 9:40(10:50地蔵院、16.8㎞)→13:45 18番 恩山寺 14:05→(4.0㎞)→15:00 立江寺 15:20→(9㎞)→17:15 中角中バス停《合計37.5㎞》

P1030213 もくもくと歩いていく。

朝早くから、先達の先導で読経に励むツアー客たち。
鈴を鳴らしながら、読経する老夫婦。
納経後、地図で次の遍路道を確認するバックパッカーの若者。

P1030223 さまざまな参拝客たち。

参拝客が途切れた寺。

途中、恐縮しながらお接待を頂く。

青空には次第に雲が広がり、時折、小雨。1日を終えるころ、本降りになった。

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2008年3月15日 (土)

《3周目》第37日目、お礼参り《4周目》第1、2日目 2月14~16日

第37日目 08年2月14日(木)晴時々曇

塩江 → 8:50 上落合バス停→(10.9㎞)→11:30 別格20番 大滝寺 12:00→(夏子休憩所14:25、20㎞)→17:00 八十窪《合計30.9㎞》

P1020978  雲辺寺と同じ高さの大滝寺(910㍍)へ。
 深い雪。たくさんの小動物の足跡。案内板には、ムササビ、野ウサギ、イタチ、タヌキがいるとある。

 大滝寺も雪に埋もれていた。
 108番目の結願寺。
古びた本堂。
 読経中、寺の太った
ペルシャ猫が擦り寄ってきた。

 寺の奥さんによると、今年は雪が多いという。
 寺では湧き水(雪解け水や雨水)をタンクに貯めて使っている。昨年は雪が少なくて水に困ったが、今年は大丈夫だろう。
 お接待でみかんを頂く。小ぶりだが、とても甘い。

P1020991  奥さんの忠告で県道をとことこと下っていく。遠くに吉野川の流れる平野が見える。夏子休憩所を経て、再び大窪寺の門前へ。

 宿では結願を祝い、赤飯が出た。
 同宿が1人。
福岡から来た中年男性。車で逆打ちをするという。
 先達の引率で、バスやタクシーで回ったことがある。仕事を辞めたので、じっとしていても仕方がないのでやって来た。山口の88カ所は回ったことがある。(そういうのがあるんだ)体力に自信ないしな、でもいつかは歩きたいと言われる。

 ぜひ、どうぞ。

お礼参り、第1日目 08年2月15日(金)晴時々曇

4:00 八十窪→(切幡寺下7:50、安楽寺9:50、38.6㎞)→12:45 1番霊山寺 13:40→(1.4㎞)→13:55 2番極楽寺 14:15→(2.6㎞)→14:50 3番金泉寺 15:05→(5㎞)→16:10 4番大日寺 16:25→(2㎞)→16:45 5番地蔵寺 17:00→ 旅人の宿道しるべ《合計49.6㎞》

 降ってくるような満天の星空。星が地平線までいっぱいに輝いている。北斗七星がくっきりと見える。星空と一体になってうれしい気持ち。
 気温は零度。

P1030020  やがて夜明け。1番を目指して歩いていく。新米らしきお遍路さん4人と出会う。
 お気を付けて。

 やっと結願の喜びがわいてきた。“人生は遍路なり”の言葉を思い出す。3度目の人生を終える。

 門前で御影入れ付きの納経帳を買う。今度はカラー御影をもらおう。

 納経を終え、そして4周目へ。 
 西風が強くなってきた。が、足どりは軽く、弾むように歩いていく。

第2日目 08年2月16日(土)晴

旅人の宿道しるべ →7:10 5番地蔵寺 →(5.3㎞)→8:20 6番安楽寺 8:40→(1.2㎞)→ 9:00 7番十楽寺 9:15→(4.2㎞)→10:05 8番熊谷寺 10:25→(2.4㎞)→11:00 9番法輪寺 11:15→(3.8㎞)→12:10 10番切幡寺 12:35→(9.3㎞)→14:25 11番藤井寺 14:40→JR鴨島駅《合計26.2㎞》〈往路、ハローブリッジ号、復路、エディ号〉

P1030071  アットホームな良い宿だった。
 ご主人に地蔵寺まで送迎してもらう。

 ご主人は日和佐(徳島南部)出身。薬王寺の庭が遊び場だった。
 埼玉に家族がいるが、仕事を辞めて徳島に宿をオープン。広告はしていないが客がある。お遍路は3割ぐらい。いずれ娘に宿を譲って、日和佐に小さな宿を開きたいという。

 安楽寺を出て、ジャージ姿で爆発ヘア(?)の青年を追い越す。
 京都の大学生で、今度、3回(年)生。春休みに通し打ちで回りたい。
 足を引きずっている。昨日、足を挫いたという。
 整体に行きたい。いろんなお遍路の情報を知りたい。善根宿も止まってみたい。明るい青年だ。
 こちらが知っているミニ知識を話す。
 頑張って!

 熊谷寺で、女性の先達がツアーのお遍路たちを喜ばせている。お遍路103回目。結婚63年、夫婦で喧嘩しなかったわけじゃない。でもこうして回らせていただいて、感謝の心をもって生きてこられた。今では夫は私の錦の納札(100回以上)を近所の人に差し上げて喜んでくださる。
 
皆が去った後、ツアー客の1人が、納札入から大先達の納札を取り出し、家族の幸せを拝んで持っていった。

P1030116  表装店に掛け軸と別格20カ所の数珠玉を預けて、再び歩き始める。

 西から、ヒューと音を立てて吹き抜けていく冷たい風。ときおり小雪が舞い、綿雲が後から後からわいてくる。

P1030136

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2008年2月 8日 (金)

《3周目》第34、35、36日目 1月29日~1月31日

第34日目 08年1月29日(火)雨のち曇

4:45 JR琴平駅 →(9㎞)→6:30 76番 金倉寺 7:00→(8㎞)→8:30 別格18番 海岸寺 9:00→(6㎞)→10:00 77番 道隆寺 10:30 →(7.2㎞)→12:00 78番 郷照寺 12:25→(5.9㎞)→13:40 79番 高照院 13:55→(6.6㎞)→15:10 80番 国分寺 15:30→(6.5㎞)→16:55 81番 白峯寺 17:15→(1㎞)→かんぽの宿坂出《合計50.2㎞》

P1020800_2   夜半に激しく降った雪は、明け方、雨となり、やがて止んだ。

 鉛色に垂れ込めた雲の下、黙々と札所を打っていく。

 高照院で、恰幅のいい白装束の老人が、あっという間にお経を読んで去っていった。納札の箱には、金色(50回以上参拝)の納札が。思わず名前を読む。徳島市の人。四国88カ所霊場会に所属。心無い参拝者はこの色付き札をありがたがって持ち去っていく。(私はそんなことはしない…)

 再び周りの山々に雲が掛かりはじめて、怪しい空模様。
 一気に白峰寺を目指す。遍路転がしの山道をぜいぜいあえいで登ると、そこは深い霧の中だった。
 
 かんぽの宿へ。
 なんと温泉である。風呂でのんびりと足を揉みほぐす。
 瀬戸大橋を見下ろす夜景(よく見えないが)。
 食事は、鯛のあら煮、天ぷら、刺身にミニ鍋と、豪華である。こんなにいらないが、せっかくだから全部頂く。


第35日目 08年1月30日(水)雪のち晴

5:15 かんぽの宿坂出 →(6.5㎞)→6:45 82番 根香寺 7:20→(4.6㎞)→8:40 別格19番 香西寺 9:00→(9.5㎞)→11:00 83番 一宮寺 11:25→(13.6㎞)→14.45 84番 屋島寺 15:15→(5.4㎞)→ 16:45 85番 八栗寺 17:05→(1㎞)→17:30 高柳旅館《合計40.6㎞》

P1020843  底冷えする朝。雲が切れ、日差しが出てきた。
 
 香西寺で、寺の奥さんに朱印を頂く。奥さんは、若いころ、東京に住んでいたが、父がこの寺に貰われ、主人がこの寺に貰われていた縁で、この寺に嫁いできたと言った。仏縁に恵まれて離れられない人生もあるものだと思って話を聞いている。

 広い河川敷をひたひたと歩く。
 単調な道。
 空に向かって思い切り、招神歌を唱えてみる。感謝誦行も。朗誦または黙唱しているうちにうれしい気持ちに。ウォーキング中のおじさん、おばさんに笑顔で挨拶すると、笑顔の返事。「ありがとう」の魔力である。

 屋島寺へ。相変わらず冷たい風。山道には元気に上り下りする中高年のハイカーたち。その間をあえぎながら登っていく。

第36日目 08年1月31日(木)晴のち曇

4:55 高柳旅館 →(7㎞)→6:15 86番 志度寺 6:55→(7㎞)→8:25 87番 長尾寺 8:50→(12.3㎞)→13:00 88番 大窪寺 13:40→(13.3㎞)→16:40 上落合バス停→塩江《合計39.6㎞》〈往路、新幹線、復路、西東京バス〉

P1020864  ぼんやりと輝く月。底冷えの朝。

 早くも登校する小学生たち。次々と挨拶していく。

 長尾寺で、同い年ぐらいの男性が声を掛けてきた。
 人のよさそうな、まん丸い顔、恰幅のいい体。茨城県のつくばから車で来たという。
 母親の郷里と同じ懐かしい茨城訛り。
 こちらが3周目と言うと、男性はすごいですね、四国は初めてと言った。
 が、すでに板東33カ所、西国33カ所、秩父34カ所と100観音を回っているという。そっちの方が、すごいではないか!
「今度は、一度、歩ってみたい」と言う。
 ぜひに。

P1020883  山道には、3日前の雪が残っていた。
 竹藪がなぎ倒されて大きく道を塞ぎ、ようやく乗り越えて先を行く。

 だんだん雪が深くなる。昨年に続く雪山登山。
 日が反射する白い雪の上には、先を行った人の靴の跡、杖の跡、そして小動物の足跡。 
 固くなった雪に靴を突き刺しつつ、岩や木の根っ子を這うようにして、次第に険しくなる女体山へ。

P1020891  山頂。ザッーと音を立て、澄み切った青空を過ぎゆく風。遠くに讃岐平野。そしてここにも小動物の小さな足跡。

 大窪寺まで一気に下り、結願した。とりわけ感慨のない今回である。

 トラックがやたらと行き交う幹線道路を通って、塩江方面へ。

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2008年1月27日 (日)

《3周目》第31、32、33日目 1月17日~1月19日

第31日目 08年1月17日(木)曇時々晴

6:45 平山バス停 →(2.5㎞)→7:20 別格14番 常福寺(椿堂) 7:40→(24㎞)→ 13:50 別格15番 箸蔵寺 14:20→(6.5㎞)→16:00 ふくや旅館《合計33㎞》

P1020650  どんよりと垂れ込めた雲。
 冬枯れした山。
山の上の方では、ピーピーと鳥の群れが ざわめいている。

 時折、ちらちらと粉雪が舞う。

 少し前、気の緩みで引いた風邪もなんのその、しかし時折げほげほと咳き込みながら歩いていく。
P1020663_2  やがて、日差し。
 ぽかぽかと日の当たるバス停のベンチで一息つく。

 吉野川を経て、箸蔵寺へ。
 山道を登ると、仁王門が現れ、続いて鳥居、その後、玉垣の並ぶ長い階段。
 
 金毘羅大権現が本尊。納経所の人は「神仏習合やけP1020673_2 ん。仏教なら薬師如来」という。なるほど、なるほど…。
 詳しくいうと、金毘羅大権現は、薬師如来を守護する「薬師十二神将」の筆頭の仏様「宮毘羅(くびら)大将」。弘法大師はここで金毘羅大権現から、「箸を挙ぐる者(=国民)、我誓ってこれを救はん」(全ての人々を救済する誓い)というご神託を授けられ、寺を建立したという。

ふむふむ…。

第32日目 08年1月18日(金)雪のち晴

4:15 ふくや旅館→(13㎞)→7:45 66番 雲辺寺 8:35→(7.4㎞)→ 10:50 別格16番 萩原寺 11:25→(7㎞)→12:55 67番 大興寺 13:15→(8.7㎞)→15:15 68番 神恵院 69番 観音寺 15:45→(4.5㎞)→16:45 70番 本山寺 17:05→ 一富士旅館《合計40.6㎞》

P1020684  雲辺寺へ、暗闇の道を登っていく。
 
ヘッドランプの明かりの先にはらりと小雪が舞い降りてきたかと思うと、すぐに本降りとなり、道に積もり始めた。

 が、夜が白み、雲辺寺に到着すると、空はすっかり晴れ。
 しかし気温は零度を下回り、読経していると、みるみる体が冷えていく。
P1020702
 そして山道をひたひとと下り、山麓駅の横を通って萩原寺へ。
 下界はぽかぽか。秋には一面に萩が咲くという寺の茶店で、のんびりとお茶を頂く。

 単調な道を空を見上げながら歩いていく。すると、おじいちゃんが遠くからこれらを呼び止めて近道を教えてくれた。感謝合掌。

P1020715_4  やがて陽は傾き、道もオレンジ色に染まる。
 葦の生い茂った川の土手を、神想観の言葉を唱えながら歩いて行く。

第33日目 08年1月19日(土)晴のち曇

4:20 一富士旅館 →(11.3㎞)→6:50 71番 弥谷寺 7:30→(3.5㎞)→8:25 72番 曼陀羅寺 8:45→(0.6㎞)→8:55 73番 出釈迦寺 9:15→(2.8㎞)→ 9:45 74番 甲山寺 10:05→(1.6㎞)→10:25 75番 善通寺 11:20→(12.5㎞)→14:35 別格17番 神野寺 15:00→(8.3㎞)→16:30 金刀比羅宮(本宮、厳魂神社)→(3㎞)→18:15 JR琴平駅《合計43.6㎞》〈往復、新幹線〉

P1020729  陽が差していても、風はほおに冷たく、底冷えする日。
 わざわざ1年の中の最も寒い時期に歩けることに感謝。

 善通寺の大クス。2度も来ていて気付いていなかった。樹高40㍍、樹齢千数百年。偉容に圧倒され、しばらく佇んで見上げる。

P1020738  満濃池を経由し、こんぴらさんへ。初詣も参拝者も多く、なかなかのにぎわいである。
 本宮まで785段、奥社(厳魂神社)まで合計1368段をひらすら登った。

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2007年12月17日 (月)

《3周目》第29、30日目 12月13日~12月14日

第29日目 07年12月13日(木)曇

11:25 JR伊予小松駅→(1.3㎞)→ 11:45 61番 香園寺 12:05→(1.3㎞)→ 12:20 62番 宝寿寺 12:35→(1.4㎞)→12:50 63番 吉祥寺 13:05→(3.2㎞)→ 13:45 64番 前神寺 14:15 →(17㎞)→ 18:30 ホテルMISORA《合計24.2㎞》
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 しぐれ雲。はっきりしない天気。
 雲のたれ込めた山の向こうから吹いてくる冷たい風。
 人気のない町並みの中を歩いていく。

 おばあちゃんからみかんを3つ頂く。感謝合掌。前神寺で納経後、頂く。
 とっても甘いみかん。

 風がゴーと音を立てて寒空を通り過ぎていく。
 道沿いの家の庭から、早々に学校から帰って遊ぶ子供たちP1020559_3 の喚声。

第30日目 07年12月14日(金)曇時々晴

4:50 ホテルMISORA→(11.1㎞)→7:05 別格12番 延命寺 7:25→(17.3㎞)→11:50 65番 三角寺 12:15→(4.1㎞)→14:00 仙龍寺 14:30→(6.7㎞)→16:25 平山バス停《合計39.2㎞》〈往路、ANA、復路、新幹線〉

 朝からどんよりとした曇り空。かじかむ手。
 1人また1人と学校へ向かう自転車の中学生。
 保育園のバスを待つ幼児と母親。

 眠たそうな支度中の商店街。
 ここらへんは朝方かなり雨が降ったらしく、道は一面に濡れている。
 やがて晴れ間がのぞいてきた。
P1020598

 静まりかえった三角寺の境内。じっと風情を楽しんでいると、冷たさが頬から染み込んできた。まもなくバスツアーのお遍路さんたちがぞろぞろと到着し、にぎやかな境内に。

 仙龍寺に向かって、再び山道へ。
 道は、ヒノキやスギなどの落ち葉が積み重なり、ふかふかの絨毯のように柔らかい。

 標高765㍍の峠越え。峠には道しるべのお地蔵様。
P1020610  一転、急な下り。「三角寺五十丁、仙龍寺八丁 明治建立」と刻まれた石柱の道しるべを通過。岩肌を垂直にそぎ落としたような馬の背を越え、さらに長い石段を一気に下り、仙龍寺へ。

 寺は、三方を切り立った山に囲まれ、秘境の趣である。
 山からの木枯らしが、古くて大きな木造の伽藍を吹き抜けていく。

 本尊の弘法大師と、岩穴に祀られた不動様に納経。
 住職によれば、通過してきた石柱の場所が本来の表門。昔のお遍路は、来た道をまた上り、その道しるべから雲辺寺や箸蔵寺を目指したという。

 埼玉から来たと告げると、住職は、毎年春の彼岸に、埼玉県の運送会社まで祈祷に行っていると言った。社長1人から始めて、従業員千数百人、トラック千台くらいを数える運送会社になった。なぜ、この四国の寺を信仰しているのかは知らないという。けれども、信仰心が会社を繁栄に導いたものと納得しながら聞く。

P1020623  寺を出て、開けたダム湖沿いを歩いていく。
 湖面から吹き上がる冷たい西風。
 堀切トンネルを超え、川之江側へ。山はまだ紅葉の盛り。

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2007年11月 2日 (金)

《3周目》第27、28日目 10月31日~11月1日

第27日目 07年10月31日(水)曇のち晴れ

7:20 大頭バス停→(8:20 湯浪 7.8㎞)→9:40 60番 横峰寺 10:20→(0.6㎞)→10:30 星ガ森→(モエ坂 2.9㎞)→11:30 虎杖 → 黒川道(6.0㎞)→16:10 石鎚神社成就社 … 玉屋旅館《合計17.3㎞》

P1020460  横峰寺を経て、石鎚山へ。星が森では雲がかかり、石鎚山を遙拝できず。

 虎杖(いたずり)まで下りてうろうろしていると、後から下りてきた初老の男性とばったり出会う。「黒川道を行きます」と言うと、「同行します」ということで、道を共にすることに。標高250㍍の虎杖から、1400㍍の石鎚神社成就社まで、今日、2度目の山登りである。

 黒川谷を左手に見ながら登っていく。
 男性とよもやま話に花が咲く。男性は京都から来たという。19歳の息子さんを連れてきた。9月20日ごろから通しで遍路中。40日ぐらい歩いている。息子さんは石鎚山に登らずに先を行き、高松で落ち合う予定。沖縄生まれ、退職前は仕事で十数年も北京にいたという。
 黒川道は、本来通行禁止である。3㎞を超えるころから、草の繁茂などで道が分かりにくくなる。途中、完全に道が崖下に落ちた大崩落地1カ所、沢崩れで道が消失している個所2カ所、沢に掛かる鉄橋が飛ばされた個所1カ所、そのほかにも道が消えた部分がところどころあり、全体に大きく荒れていた。1人ではパニックになっていたところである。道を共にしてくれた男性に感謝。

P1020482  黒川谷の沢の音が近づいてきた。数十㍍の高さから何段もわたって流れ落ちてくる滝に出合った。その一体はすっかり紅葉している。美しい景観。だれも見ることができないのはもったいないかぎりである。

 成就社に到着。遠くに、夕日を浴びつつ高くそびえる石鎚山が見えた。

第28日目 07年11月1日(木)雨のち曇

6:35 玉屋旅館 … 石鎚神社成就社 →(3.6㎞、7:25試し鎖、8:00夜明峠、8:10一の鎖、8:25二の鎖、8:45三の鎖)→9:00 石鎚神社(弥山)→9:30 石鎚山山頂(天狗岳)→9:50 石鎚神社→(3.6㎞)→11:30 石鎚神社成就社(玉屋旅館) 11:55→ 今宮道(6.6㎞)→14:10 河口 →(13.5㎞)→ 17:20 JR伊予小松駅《合計27.3㎞》〈往復、新幹線ほか〉

P1020486_3  今日が、本当の山登り。
 夜半からの激しい雨はおさまったが、雨は降ったり、止んだり。
 深い霧の中を山へ向かう。ブナやモミジは紅葉の時期をやや過ぎている。落ち葉の積もった山道をさくさくと歩いていく。
 
 まもなく鎖場へ。行者の修行場。岩場のはるか上まで鎖が続いている。鎖や岩に掛けた靴が、雨のために何度もすべる。落ちたら天国か? 息を整えながら慎重に登っていく。ロッククラP1020496イミングのようである。

 弥山に到着。石鎚神社でご朱印を戴いた。
 下界から吹き上がる風にあおられながら稜線をたどり、天狗岳に到着。そこは雲の中だった。

 成就社まで下山。帰りは、今宮道へ。
 深い霧に包まれた植林地の林道をひたすら下っていく。途中、樹皮を煎じて飲むと乳P1020520_3の出がよくなるという、樹齢800年の「今宮の大杉」のそばを通り、昔あった集落の廃屋を横に見ながら歩く。大杉の樹皮は一部が剥かれて真っ赤である。

 ようやく下山し、深い谷あいの道を歩いていく。山腹の寺にいく人かの行者。その行者たちの吹く法螺貝の音が谷あいに響きわたった。

P1020532

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2007年10月16日 (火)

《3周目》第25、26日目 10月13日~14日

第25日目 07年10月13日(土)晴のち曇

3:45 53番 円明寺 →(遍照院 8:15 34.4㎞)→11:25 54番 延命寺 11:55→(3.4㎞)→12:40 55番 南光坊 13:00→(3.0㎞)→13:45 56番 泰山寺 14:05→(3.1㎞)→14:45 57番 栄福寺 15:05→(2.4㎞)→15:45 58番 仙遊寺 16:10→(4㎞)→17:15 ホテルコスモオサム《合計50.3㎞》

 暗闇に包まれた海辺の工業地帯。1つの工場から電灯の光が洩れている。
 夜勤の人がいた。

 闇をかき分けながら歩いていく。街灯がまあるく足元を照らす。
 夜の川を上がってくる潮の香り。
P1020388_4  真っ暗な海辺の道へ。波の音がざぶんと小さく岸を洗う。山から虫の音。時折通る車のヘッドライトの明かり。

 やがて、日の出。

 残暑も過ぎ、実りの秋。

 あちこちの田んぼでは、コンバインを入れて稲刈りと脱穀をしている。
 刈り入れを終えた田んぼでは、はとの群れが落ち穂をついばんでいる。

第26日目 07年10月14日(日)曇

5:45 ホテルコスモオサム→(3.1㎞)→6:35 59番 国分寺 7:05→(17.3㎞)→11:30 別格10番 興隆寺 12:00→(3.8㎞)→13:00 別格11番 生木地蔵 13:20→(3.2㎞)→14:10 大頭バス停《合計27.4㎞》〈往路、ANA、復路、新幹線〉

P1020408  どんよりした曇り空。
 初めて興隆寺へ向かう。
 長い石段(300段)の参道を登っていく。前日の仙遊寺に続く小山登り。
 ヒノキとモミジの木が並んでいる。

 古刹である。古く、いかめしい木造の本堂。納経所の人によると、南北朝の文中年間(1370ごろ)の建造。国の重要文化財という。

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2007年9月19日 (水)

《3周目》第22、23、24日目 9月12日~14日

第22日目 07年9月12日(水)晴

5:35 JR伊予大洲駅 →(3.6㎞)→ 6:30 別格8番 十夜ヶ橋 7:00 →(42.5㎞ 9:00 内子駅→11:00 大瀬→14:00 薬師堂→16:00 下坂場峠→17:20 鴇田峠)→18:10 ガーデンタイム《合計46.1㎞》

P1020295  朝、人気も車もない国道。虫の音。
 セミの音の途絶えた森。時折、ツクツクホウシ、ミンミンゼミの声。
 汗ばんでくる。残暑。気温35度。

 山あいの道で、女性が湧き水を汲んでいた。
 ワゴン車の荷台にポリタンクが2つ。松山市内から車で来た。あまり知られていない湧き水という。
P1020304  「どうですか?」と勧められ、置いてあった紙コップに汲んで飲んでみる。
 ひんやりとして、柔らかく、おいしい。
 ゴクゴクと、ありがたく頂く。

P1020315_2  夕刻、峠を越えた。

第23日目 07年9月13日(木)晴

4:05 ガーデンタイム →(9.5㎞ 6:18八丁坂6:35)→7:30 45番 岩屋寺 7:55 → (9.5㎞)→ 11:10 44番 大宝寺 11:40 →(15.5㎞ 14:00 三坂峠)→16:30 46番 浄瑠璃寺 16:50→長珍屋《合計34.5㎞》

P1020333  満天の星。南の空にはくちょう座。さすがに高原である。気温15度。息が白い。
 夜明け前のトンネルの中、学生と思しき若い遍路と行き違う。
 「宿を早く出過ぎたかな?」と言う。
 そんなことはない。
 今日は松山に下って石手寺まで行きたい。歩くのが遅いので追いつかれるかもしれませんと言う。
 そんなこともないでしょう。

 岩屋寺。スギの樹間に差し込む朝日。
 空に向かってそびえ立つ木々。
 かつての行者や精霊の霊気に満ちた空間。

P1020340_2  日は高くなり、気温35度。
 照りつける太陽。

第24日目 07年9月14日(金)晴時々曇一時にわか雨

6:30 長珍屋 →(0.9㎞)→6:45 47番 八坂寺 7:00→(1.0㎞)→7:15 別格9番 7:30→(3.5㎞)→8:20 48番 西林寺 8:40→(3.2㎞)→9:25 49番 浄土寺 9:45→(1.7㎞)→10:05 50番 繁多寺 10:30→(2.8㎞)→11:15 51番 石手寺 11:40→(10.5㎞)→14:15 52番 太山寺 14:35→(2.3㎞)→ 15:10 53番 円明寺 15:30→JR伊予和気駅《合計25.9㎞》 〈往路、新幹線、夜行バス(サラダエクスプレス号)、復路、新幹線〉

P1020364  日が高くなるにつれ、雲行きは怪しく、蒸し暑くなり、どしゃぶりのにわか雨。
 その後、雨上がりのさわやかな日和になるかと思いきや、真夏のような強烈な日差し。
 足もくたびれ、次の寺までの距離はあとどんだけ~と思いつつ歩く。

 午後の太山寺。自転車のお遍路さん。10日ずつ2回に区切り、2回目のお遍路を始めたばかり。区切っていたP1020370_2 間、善根宿の床屋さんに自転車を預けていたという。残暑は仕方がない。これから宿を探すつもりと自転車を駆っていった。

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2007年8月20日 (月)

《3周目》第18、19、20、21日目 8月14日~17日

第18日目 07年8月14日(火)雨後晴

9:00 市野瀬バス停 →(真念遍路道経由、地蔵峠〈12:00〉24.7㎞)→ 15:30 39番 延光寺 15:50→(7.3㎞)→18:00 ホテルアーバン宿毛《合計32㎞》

P1020212  朝、山には雲が垂れ込め、時折、強いにわか雨。
 が、昼ごろから、急に晴れ間が広がり、強い夏の日が照り付けてきた。

 じりじりと焼ける肌。バッグに付けてきたミニ温度計は35℃を指している。

 国道沿いのベンチで一息ついていると、自転車を押して歩いているおばあちゃんが声を掛けてきた。
「2、3日ずつ、区切り打ちです」と言うと、「そしたら何遍も来なければあかんな」と感心される。
 おばあちゃんも70歳過ぎてからお遍路に何度も行った。今は体がきついので行けない。聞くと82歳という。
「暑いけど、頑張ってな!」と励ましていただく。
 おばあちゃんも、いつまでもお元気で…。

 少し歩くと、外国人のお遍路。通し打ち。2年間、日本で英語の講師を務めた。今度、アメリカに帰るので、記念にお遍路をしているという。お気を付けて…。

 夕日を浴びつつ、西へ西へと歩いた。

第19日目 07年8月15日(水)晴

4:15 ホテルアーバン宿毛 →(松尾峠〈6:10〉18.5㎞)→ 9:40 40番 観自在寺 10:15→(柏〈1:15〉清水大師〈15:10〉24.6㎞)→ 18:40 よしのや旅館《合計約43.1㎞》

P1020225  夜明け前、峠に向かう。
 朝焼け。朝靄に煙る山。湧き立つ雲。
 山の遍路道は、草木が朝露でびっしょり濡れている。
 鳥のさえずり。小川のせせらぎ。ヒグラシの合唱。

 国道56号へ。
 日が高くなり、日差しは容赦なく照りつけてくる。
P1020232_2  暑く、けだるい空気。温度計は40℃。時間が止まっているような感覚。けだるい空気をかき分けるように歩いていく。
 時間の流れの中を歩いているのではなく、「今」の時が、今、今、今…と、一瞬一瞬、過ぎていく感じ。
 宗教者が求めてやまない「久遠の今」「絶対の今」を、現象の時間の中でぼんやりと学んでいるP1020245ようである。
 「神さま、神さま…」と念じて歩く。朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり――。今なら、神さまがいる、神さまと共にいると感じたまま、倒れることができる。
 
沿道に生い茂った草が、神様を思う自分に挨拶してくれるように、ずっと風になびいてくれている。

 午後、延々と柏坂(峠)を登る。あまりの暑さに15-20分ごとに休憩を取り、濡れタオルで首筋や額の熱を冷やす。
 ようやく峠を超え、今度はひたすら下り道。

P1020265  そして夕日。夏の長い1日。

第20日目 07年8月16日(木)晴

4:15 よしのや旅館 →(16㎞)→ 7:40 別格6番 龍光院 8:20→(9.6㎞)→11:05 龍光寺 11:40→(2.6㎞)→12:25 42番 佛木寺 13:05 →(10.6㎞)→ 16:25 43番 明石寺 16:55 →(3.5㎞)→18:00 宇和パークホテル《合計42.3㎞》

P1020268_2  夜明け前のヒグラシ。鳥のさえずり。 
 日が昇り、照りつける太陽。

 影のない田んぼの道。

 寺に着き、本堂脇の釈迦像の前でほてった体の熱を冷ましていると、裏手の境内林から、わずかなそよ風。頬を撫でる風に感謝合掌。

P1020274  峠を越え、自動車道を歩いていると、ワゴン車から男の子が降りてきて、オレンジジュースを接待してくれた。男の子と、車の中の若い両親に感謝。
 気持ちがとてもありがたく、元気が出てくる。大切に、しかし、一気に飲み干す。

 明石寺の小高い裏山では、「カナカナカナ…」とヒノキ林からヒグラシの大合唱。哀愁を帯びたヒグラシの音があたりいったいに響きわたり、体の中を通っていく。ヒグラシの音と1つになった感じである。西日がこぼれ落ちる林道を、約15分間、聞き惚れて歩く。

1日の終わり。夏の終わり。

第21日目 07年8月17日(金)晴

3:20 宇和パークホテル →(伊予平野〈8:00〉25.9㎞)→ 12:10 別格7番 金山出石寺 12:50→(11.9㎞)→16:00 JR伊予大洲駅《合計約37.8㎞》〈往路、夜行バス(しまんとエクスプレス)、復路、JR〉

 108の寺(別格含む)で、3番目に標高の高い寺(812㍍)を目指す。

 途中からきつい山道。あえぎながら登っていく。
 10-15分に一度に休憩。濡れタオルで首筋と額を冷やし、靴を脱いで足を強くもむ。その繰り返し。

 林道のそばから、木の根や苔を伝ってポタポタとしずくが滴り落ちている。それを空になったペットボトルに慎重に受け止める。

 しばらく行くと、草木が茂って荒れた遍路道の下に、腕の太さほどの小さなせせらぎ。
 透んだ水に手を入れると、ひんやりと気持ちよい。
 荷物を降ろし、頭の手ぬぐいを取り、メガネを外して、水をすくう。
 顔を洗い、腕に注いで熱を冷ます。口に含むと甘い香りがした。
 これもペットボトルにお裾分けさせてもらう。

P1020285  一時の癒し。